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茂原の住まい
住宅
里山と共に暮らす
内と外の間に開かれた住まい
森の中に開かれた「外部とつながる場所」と、テントの中のように包まれる「内にこもる場所」。
このふたつが生活のリズムに寄り添うよう、住まいはゆるやかに構成されています。

敷地は九十九里平野の南西部、かつて八積湿原が広がっていた湿潤な土地にあります。
周辺には、里山の麓に寄り添うように屋根の大きな住まいが点在していました。
この風景の一端を静かに担うような存在として、この計画は進められました。
建主のご家族は代々この地に暮らしてきた歴史や背景を持ち、土地への敬意と親しみが設計の根底にもあります。
敷地は傾斜のある地盤に、三方を林に囲まれた自然豊かな場所です。
しかし一方では、猪や土竜が出没し、強い風雨で樹木が倒れることもある、野生の厳しさと隣り合わせの環境でもあります。
自然は美しさと同時に、日々の生活に負荷をもたらす存在でもあります。
こうした環境に対し、外と切り離された“シェルター”のような住まい方では、人と自然、人と場所との持続的な関係は築けないのではないか
―――そんな問いから、この住まいは「自然とともにあるふるまい」を受けとめるかたちで計画されました。



森の中に開かれた「外部とつながる場所」と、テントの中のように包まれる「内にこもる場所」。
このふたつが生活のリズムに寄り添うよう、住まいはゆるやかに構成されています。




外周には、日中の活動の中心となる居室を配置し、中心部には水回りやユーティリティを配置して、回遊できる動線計画とすることで、日々の移動のなかで自然との距離が緩やかに変化していきます。
また、各居室はそれぞれに独立した開口部を持ち、外の光や風、音や匂いを直接感じられる“場面(フェーズ)”として展開されています。









家族や個のスペースに向かうにつれて床の高さが上がり、屋根に包まれていくような、内向的で静かな居場所をつくりました。





森の風景を抱き込みながら、開かれすぎず閉じすぎず、自然と共に日常を重ねていく住まい。
この住まいが、この土地の風景とこれからの暮らしに、やさしく根ざしていくことを願います。
茂原の住まい

1階

2階

外部マテリアル
茂原の住まい
所在地 : 千葉県茂原市
用途地域 : 非線引区域
階数 : 2階建て
構造 : 木造在来工法
敷地面積 : 964.56㎡
建築面積 : 148.91㎡
延床面積 : 201.32㎡
性能面 : 耐震等級3
設計期間 : 2016年4月~2016年10月
工事期間 : 2016年11月~2017年7月
施工会社 : 末吉林業
構造設計 : ワークショップ/安江 一平
植栽 : Eda/堀口 真吾
撮影者 : 笹の倉舎/笹倉 洋平
Detail












Material

室内マテリアル